日本放射線影響学会 / THE JAPANESE RADIATION RESEARCH SOCIETY

【6/30締切】平成29年度国家課題対応型研究開発推進事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」公募開始

  • 2017年05月25日

 5/22に平成29年度国家課題対応型研究開発推進事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」の
公募が開始されました。提案書類受付期間は平成29年6月30日(金曜日) 17時00分までとなっております。
 今回の公募では、「戦略的原子力共同研究プログラム」、「廃炉加速化研究プログラム(日英原子力共同研究
)」において、新たな研究課題が募集されています。

 「戦略的原子力共同研究プログラム」では、下記の3テーマでか各1件程度が募集されています。

【テーマ1】原子力利用に係る安全性向上のための基礎基盤研究
○対象機関:大学、大学共同利用機関法人、高等専門学校、独立行政法人(国立研究開発法人含む)、民間企業
、NPO法人等。
ただし、複数機関の連携又は他分野との連携(同一機関内の連携含む)による応募を必須とします。
○期間:3年以内
○経費:年間2,000万円以内(1課題あたり) ただし、初年度は1,900万円以内
○採択予定件数:1件程度
○募集テーマ詳細:
一般的な原子力利用に係る安全研究であり、必ずしも発電用原子炉に関するものに限らず、研究炉やバックエ
ンドに関するものも含めて原子力利用に係る安全性向上に資する研究を推進します。特に海外で拡大する原子力
利用の諸局面において、我が国が安全性向上技術の優位性を獲得し、世界の原子力利用の安全をけん引するよう
な斬新な技術開発に資するための研究、例えば、更なる安全性向上のための安全評価・実装技術、先進的な計装
・制御システムの研究開発、抜本的な安全性向上のための新素材を用いた被覆管等の研究開発、事故耐久性の高
い先進燃料の研究開発、安全上重要な機器の経年劣化メカニズムの解明、及び過酷事故回避関連技術の高度化、
高温ガス炉に係る基礎基盤研究、原子力の技術革新につながる基礎基盤研究、原子力施設の安全性・信頼性向上
に寄与する基盤的な解析手法・評価手法の開発、事故時の対応を高度化するためのマネジメントや意思決定方法
等に係る基礎的・基盤的研究を推進します。

【テーマ2】放射線影響に係る基礎基盤研究
○対象機関:大学、大学共同利用機関法人、高等専門学校、独立行政法人(国立研究開発法人含む)、民間企業
、NPO法人等。
ただし、複数機関の連携又は他分野との連携(同一機関内の連携含む)による応募を必須とします。
○期間:3年以内
○経費:年間1,500万円以内(1課題あたり) ただし、初年度は1,450万円以内
○採択予定件数:1件程度
○募集テーマ詳細:
原子力利用を進めていく上で、放射性物質による被ばく影響のメカニズムの解明やその低減等に資する研究を
着実に進めていくことは、重要な課題です。
今回の公募では、医療分野以外にも生物体への放射線照射の利用・応用が拡大していることや、東電福島第一
原発事故により環境中に放出された放射性物質の生態系全般への影響が不安視されていることなどに鑑み、一定
の知見が蓄積されてきたヒトだけでなく多様な生物種に対する放射線被ばくの影響の解明、特に分子生物学的な
アプローチによる放射線被ばく影響、または放射線被ばく影響からの回復メカニズムに焦点を当てた研究を推進
します。

【テーマ3】原子力と社会の関わりに係る人文学・社会科学的研究
○対象機関:大学、大学共同利用機関法人、高等専門学校、独立行政法人(国立研究開発法人含む)、民間企業
、NPO法人等。
ただし、複数機関の連携又は他分野との連携(同一機関内の連携含む)による応募を必須とします。
○期間:3年以内
○経費:年間500万円以内(1課題あたり)
○採択予定件数:1件程度
○募集テーマ詳細:
東電福島第一原子力発電所の事故を契機に、原子力をはじめとする科学技術と社会との関係について原点に立
ち戻っての検討が要請されています。
今回の公募では、原子力技術が多様な学術領域の英知の結集によって誕生し社会的富の形成に多大な役割を果
たしたイノベーションの範例であったとの歴史的認識に立ち、その新技術への評価が事故後どのように変容をし
てきているのか、人文学・社会科学的な視点を中心とした多様な学術的視点からの横断的整理・検討を推進しま
す。
なお、その整理・検討の実施に当たっては、我が国だけでなく、可能な限り歴史的・文化的背景の多様性を含
み、全人類史な視座に立って、具体的な将来課題の設定に資する提案を期待します。

 「廃炉加速化研究プログラム(日英原子力共同研究)」では、下記の2テーマで各1件程度が募集されていま
す。

【テーマE1】燃料デブリ取り出しに関する研究
○対象機関:大学、大学共同利用機関法人、高等専門学校、独立行政法人(国立研究開発法人含む)、民間企業
、NPO法人等。
ただし、複数機関の連携又は他分野との連携(同一機関内の連携含む)による応募を必須とします。
○期間:3年以内
○経費:年間2,000万円以内(1課題あたり) ただし、初年度は1,900万円以内
○採択予定件数:1件程度
○募集テーマ詳細:
東電福島第一原子力発電所の廃炉の加速に資するため、世界でも例のない事故炉からの燃料デブリの安全かつ
円滑な取り出しに貢献する研究について、英国との協力により推進します。
現時点において、燃料デブリの炉内や格納容器内の分布状態が不明であり、その取り出しにおいては高線量環
境に伴う困難さも想定されます。その状況下での燃料デブリ取り出しの実現に貢献することを目的とし、燃料デ
ブリの物性、性状、分布状態の把握や高線量環境に対応する方策検討等に資する研究を推進します。
具体的には、炉内や格納容器内の状況把握から燃料デブリ取り出しに至るまでの工程全般に貢献する、デブリ
の経年変化の研究、廃炉のための革新的な放射線計測技術、廃炉作業中に発生する放射性微粒子の挙動の解明、
燃料デブリの検認(デブリに含まれる核燃料物質の検量、その他組成の測定技術)、臨界特性を含むデブリ物性
評価・分析技術、過酷事故やそのシミュレーション技術、遠隔操作技術、取り出し方法の安全性に関する研究、
高線量下での可視化等の計測技術、過酷事故関連基礎データに関する検討等、課題の速やかな解決に資する基礎
的・基盤的研究を推進します。

【テーマE2】廃棄物を含めた環境対策に関する研究
○対象機関:大学、大学共同利用機関法人、高等専門学校、独立行政法人(国立研究開発法人含む)、民間企業
、NPO法人等。
ただし、複数機関の連携又は他分野との連携(同一機関内の連携含む)による応募を必須とします。
○期間:3年以内
○経費:年間2,000万円以内(1課題あたり) ただし、初年度は1,900万円以内
○採択予定件数:1件程度
○募集テーマ詳細:
東電福島第一原子力発電所の廃炉の加速に資するため、廃炉作業時の原子炉周辺の環境安全や東電福島第一原
子力発電所で発生している事故廃棄物の安全な貯蔵・処理・処分等に貢献する研究について、英国との協力によ
り推進します。
具体的には、燃料デブリ、及び、廃炉解体作業の進展に伴い発生する様々な放射性廃棄物の安全な貯蔵・処理
・処分に貢献することや、汚染した発電所サイトや施設内での放射線安全の確保に資することを目的とし、放射
性廃棄物の安全な貯蔵・処理・処分に関する研究、放射線計測、汚染物質の分析や性状評価、環境安全評価、汚
染物質の動態評価、汚染環境の安定化や修復等、課題の速やかな解決に資する基礎的・基盤的研究を推進します


 詳しくは、下記のホームページをご覧下さい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1385989.htm

 なお、大阪での説明会は本日終了しましたが、東京での説明会が5/26(金)に予定されております。
 日時:平成29年5月26日(金曜日) 15時30分~16時30分
会場:原子力安全研究協会 地下 会議室
東京都港区新橋5丁目18-7
アクセス(※原子力安全研究協会ホームページへリンク)
定員:30名